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シラーPERとテーパー・テーパー盛り上がる米国株式市場

スノーボールです。スノーボールと聞いて、フルメタル・ジャケットが思い浮かぶあなたは僕と友達になれるかもしれません。

さて、本日の話題は米国株式の価格水準の話です。今週、会社でウェブサーフィンをしていたところ面白いサイトに巡りあうことができました。会社って素晴らしいですね。

失業率も下がりつつあり、GDPの拡大が期待され、S&P500、ダウ平均も最高値を更新し続ける今日このごろ、キタコレと米国にお金をぶっこんでいる皆さん向けのエントリーです。

シラーPERで現在の米国株式市場の価格水準を見てみよう!!です。

Shiller P/E Ratio: Where Are We with Market Valuations?

株が大好きな皆さんはPERというのはご存知だとは思いますが、読者に小学生が含まれていることも想定して一応説明しておきます。PERとは一株価格/一株あたりの利益(EPS。)で定義されるもので、要するに投資が何年で回収できるのよという指標であります。(この一株当たりの利益というのも前期の実績値を使うのか、今期のアナリスト予想のコンセンサス値を使うのかでPERの値が変わってくるところです。)

ほんでもって、今回の本題はシラーPERです。シラーというのはアメリカの一流大学イエール大学の経済学部教授ロバート・シラー先生(金融市場の非効率性についての研究で今年ノーベル経済学賞受賞。余談ですがファーマ先生という方が金融市場の効率性に関する研究を同時に受賞。。。)が考案したちょっと特殊なPERなのです。

これを簡単に説明いたしますと、

  • 過去十年間のS&P500一単位のEPSの平均
  • ただし、平均を算出する際の各年のEPSは消費者物価指数の統計を用い現在のドルに引き戻した値を使う(簡単に言うと、物価変動を調整するために過去のドルを現在のドルに計算し直す)
  • この10年間の平均EPSを用いてPERを計算

その結果が以下のようになっています。

この指標の特徴は、過去10年間の利益を平準化することにより、景気が良い時期と悪い次期の利益水準を平準化するところにあります。この処理により、単年度での利益水準の変動による価格水準指標であるPERの変動を小さくするところにあります。通常のPERで計算する限りおおよそ16-17くらいの水準にありそれほど割高な水準にないように思いますが、現在のシラーPER:25.2を超える水準は

  • 1920年台後半の大恐慌前の水準期
  • 1990年台前半から2000年台初頭のIT期(株に関していえば、リーマン・ショックITバブル崩壊がとてつもないものだったということがこのチャートから読み取れますね。ただ、リーマン・ショックの際には債券・信用市場という株式市場よりも桁外れに大きい市場が機能不全に陥ったことが恐ろしかったですね。)
  • 2007年頃のクレジットバブル期

のみであることに注目すべきです。また、シラーPERの1880年からの中央値は16.5とこれを大きく超えている点も気になります。

これ以上追っかけようと思っている方は気をつけてくださいね。

でっ、スノーボールお前はどうなのよって? ・・・・ははは。 秘密です。

 

次回はスノーボールの名前の由来であるウォーレン・バフェット翁が注目している指標について書こうかと思います。

 

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